渡辺保の劇評 2008年7月歌舞伎座
いつもの清元と違って今度は全て竹本仕立て。初代猿翁歌右衛門以来の文楽式。幕が開くと一面桜の書割。「恋と忠義」のオキが終るとその書割を上手下手に引いてとる。正面に桜の大樹、上手が傾斜になった丘、その丘の上に赤地に破れ菱形の着付、打ち掛けのいつもの静御前が立ち、下手に滝車のある川の流れを見せる。 この丘の上にあらわれた玉三郎の静御前、さすがに大歌舞伎の立女形。今日一日の見ものである。(2008年7月歌舞伎座)
いつも見慣れた「吉野山」と幕開きから違います。この文楽式もなかなか良かったのですが、清元の「女雛男雛」のところ、この美男美女で見たかったですね。
渡辺先生は「夜叉が池」が一番とおっしゃっておられますが、私は「高野聖」のほうが新鮮で面白かったです。お坊さん姿の海老蔵は実に清々しく、いかにも修行の聖という感じが出ていました。玉三郎は謎を秘めた魅力的な女で芝居の運びをきっちりとリードしていて流石です。右近は全くしゃべらないのですが、唄を歌います。木曽のなかのりさん~良い声で上手でびっくりします。その他、市蔵の薬売り、歌六の最後の長セリフが効いています。

先日の初日はご一緒の観劇となり、楽しい一日でした。
私も『夜叉ヶ池』もいいと思いましたが、『高野聖』が新鮮でした。原作より平明になっている点は評価がわかれるでしょうが、海老蔵さんの清々しさと、玉三郎さんの魔性の女あるいは聖女か謎めいていて面白かったです。
歌六さん、尾上右近さんも素晴らしかったです。
投稿: 六条亭 | 2008年7月14日 (月) 23:43
六条亭さん、こんにちは。初日はお席もすごくお近くでお話できて楽しかったです。
後半に見る予定ですが、初日と印象が変わるか?とても楽しみです。
現実に、あのお坊さんに出会ったら恋してしまいそう!!永平寺に行くと若いお坊さんがいっぱいいらして、それは着飾っていない無垢な感じで魅力的でした。海老蔵さんも同じ印象でした。シンから修行僧の気持でやっているんだなぁと思いました。
投稿: さちぎく | 2008年7月16日 (水) 10:57