渡辺保の劇評2007/9月歌舞伎座
ことに今度の幕外は、最初のドンチャンで右足を引いてキッとなり、二度目のドンチャンではもうキッとならずに心持ちだけで右手へ目をそらして一つ廻って本舞台を向くと思わずたまらなくなるという、その渋い行き方が、心理的でなく、嫌味でなく、それでいて十分大芝居になって堪能させる。大芝居でありながら一方で渋くおさえて、たまらず笠をかぶるまで。十二分に味が出ている。円熟した熊谷。今が見ごろである。(2007年9月歌舞伎座昼の部)
秀山祭の昼の部、夜の部の劇評です。
「熊谷陣屋」は見ごたえありました。正に円熟した熊谷です。口跡良し、嫌味のない演技、大きさも充分で「播磨屋!」と掛けたくなる舞台でした。
夜の部の清正もよさそうです。玉三郎の阿古屋と千秋楽の観劇が楽しみです。

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