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渡辺保の劇評 2007/5新橋演舞場

なかでは断然鱶七である。 鱶七はもとよりこの人の当り芸。今さらいうまでもないことだが、金輪五郎になっての豪快、勇壮、大きさ舞台も揺るぐばかりの上に、義太夫味、芝居の運びともに間然とするところがない。ことに今度は、物語になって前後三箇所の見得、「自然と鹿の性質顕われ」の右手を上げて見得、「鎌足公の御計略」と三段に右足を下ろしての見得、「忠臣なり」の左手に笛、右手で襟をしごいての見得が、その形のつや、厚味で圧倒的である(2007年5月新橋演舞場)

吉右衛門奮闘の4役、鱶七が大変良いとのこと。義太夫狂言の味というものを存分に出してくれる役者さんとしては、第一だと思います。

「ニン」について書かれていますが、その人の持って生まれたものが最大に反映する役どころと、そうでない役どころがあるという歌舞伎役者の特性のようなものを感じます。

(中旬観劇予定)

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