渡辺保の劇評12月国立劇場
たとえば大目付仙石伯耆守は史実では優秀かつ果断な官僚だが、同時に幕閣の事大主義に苦悩した人でもある。そのために十二月十五日当日は自邸と江戸城の間を何回も往復せざるを得なかった。しかし真山戯曲ではその複雑な政治事情をカットし、仙石伯耆守をかなり一面的な「土屋主税」的人物に単純化している。そのために肝腎の大石内蔵助との対立が明確でなく、それにつれて大石の抗弁も盛り上がらない。(2006年12月国立劇場)
仙石伯耆守について、史実をよく知らない私には、<一面的な「土屋主税」的人物に単純化している>ことに何の違和感もありませんでした。
三ヶ月にわたっての通し狂言は大変面白かったです。大石という人物は多くの小説家、戯作者にとって、魅力ある存在だということが納得できます。
私的には第1部の吉右衛門の大石が一番印象に残りました。

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