「かさね」卒塔婆のしかけ
写真だとちょっとわかりにくいのですが、卒塔婆が乗った台の、前っつらについている糸(ジャリ糸)が、いったん池の縁のところで折り返され、土手の裏にのびております(台の右横に這っているのが折り返しの方です。仮にAとしましょう)。そして一方で、台の左側についた糸は、池の縁の下手側のところで折り返され、斜めに土手の裏へと続いております(B)。本番では卒塔婆は土橋の下奥、客席から見えないところまで下がっているわけですが、まずAの糸を引くと、卒塔婆が前方に出てくる。続いて与右衛門が刀のこじりで引き寄せる芝居に合わせてBの糸を引くと、卒塔婆は下手へ移動するということです。卒塔婆の上には鎌が刺さった髑髏が乗っているわけですが、移動中に卒塔婆から転がってしまっては大変ですので、鎌の柄に小さな穴をあけ、台に作られた突起に嵌めてぐらつきを防ぎます。卒塔婆自体も同様に固定します。卒塔婆はあとでへし折りますので、折れやすいように軽く切れ目を入れてあります。(梅之芝居日記)
梅之さんの日記に、「かさね」に出てくる髑髏の乗った卒塔婆がどういうしかけで流れてくるのか、詳しく書かれていましたので興味深く読みました。こんぴら歌舞伎でも「かさね」が出ますので、目を凝らして観察いたしましょう。

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