渡辺保の劇評 3月歌舞伎座
富十郎の椀久が夜の部第一の見もの、その柔らかさ、体の中からリズムが湧き上がってくるような踊りのうまさでうならせる。今さらではないが、この曲の特色、振付の特異さがよくわかって感心した。雀右衛門との名コンビの時代を思えば、幕切れの哀愁、ひとしおである。菊之助の松山は初役で仕方がないが、体が硬く、動きが重い。(2006年3月歌舞伎座)
私は今月はまだ観ておりませんが、仁左衛門の役は本当に難しいと思います。神々しいお姿は熊谷で立証済みですから、今度も期待しています。
富十郎の踊りは去年の「うかれ坊主」もそうでしたが、もう振りをつけるのを通り越して、身体が覚えているというか、筋肉が自然と動くのか、柔軟で<踊りのうまさでうならせる>と渡辺氏が言っておられるのがうなずけます。対する菊之助、1ヶ月一緒に踊って何でも良いから富十郎から吸収してほしいです。横綱に向かっていく幕下の力士のように、落差を感じていることでしょう。

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