二年前のお正月に初めて観た時の感動は忘れられません。何度も観ている道成寺で、こんなにも新鮮に感じたことはありませんでした。道成寺物といっていろんな道成寺がありますが、「男女道成寺」「双面道成寺」「奴道成寺」等は片方が違うキャラクターだったり。お面を使ったりと変化に富んでいます。しかし、この道成寺はいつもの振りで「光」と「陰」になって踊る(玉三郎のコメントによる)或いは姉妹のような恋人のような・・・妖しい魅力を感じます。今回は前回とちょっと変わったところがあると思うのですが、記憶が曖昧ながら、順に追って書いてみます。
聞いたか坊主があって、いよいよ花子さんの登場。竹本「月はほどなく出汐の・・・ひらり帽子の~」揚幕より菊之助がでます。七三で踊っていると「恋をする身は~」あたりでスッポンから玉三郎登場、ここで二人になります。「とがなき鐘を恨みしも」そろって鐘を観て、竹本いっぱい踊り、菊花子は舞台へ、玉花子は消えます。問答はいつもの通り、菊花子は烏帽子を三宝にのせて下手へ引っ込みます。準備する間「舞」の講釈などあり、所化は上手下手に分かれて座ります。
紅白の幕が上がると、烏帽子をつけた花子がタテに重なって立っています。後ろが玉三郎、前が菊之助、「花の外には松ばかり~暮れそめて鐘や響くらん~」花道に行き鐘を見上げ本舞台に戻り、普通は「鐘に恨みは数々ござる~」と続きますが、ここに乱拍子が入って、鼓との緊張した舞になります。謡い風に歌いながらは先だっての「船弁慶」と同じです。
「道成の卿うけたまわり、始めて伽藍たちばなの道成興業の寺なればとて道成寺とは名づけたり。」これは紀州道成寺の歌詞ですが、これ(多少違うかもしれません)を謡いながら乱拍子を踏みます。
吾妻徳穂の道成寺も乱拍子が入るのですが、自身では歌わず長唄でいきました。徳穂は、なまじ自分で歌うとぶち壊しになってしまうからと言っていました。最も声がしゃがれていて、かなりの悪声だったという事で止めたらしいのですが。
これは賛否両論だと思います。
さて烏帽子をつけた所は踊ってはいけない、烏帽子がふれてはいけないと言われています。ご両人格調高く品良く舞っていました。「真如の月を眺めあかさん」で烏帽子を取りますが、玉三郎は歌右衛門流に綱にかけます。菊之助は中啓の上に乗せ後ろに行きます。この演出はなかなかよろしいと思いました。
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