南北の奇抜さ、滑稽さ、グロテスクさがチラチラ見えてまずは成功。(2006年1月国立劇場)
第二場 鶴岡八幡宮の場。
ここは原作でいくと普請中の八幡宮を裏手から見せる趣向。しかも第一場の翌
日元旦という設定なのに、もう立派に八幡宮が出来上がっている。その上に「忠
臣蔵」大序の当て込みと来ては混乱するばかり。余計な道楽。
原作では犬坊丸のする仕事を松緑の五郎に割り振ったのはうまいが、後半のお
かやおはん母子が紛失の名刀天国のために石部屋にやむなく嫁入りさせる件をカ
ットしたのは残念。大時代なところへ突如世話の芝居が入ってくるのが面白いのに。
<原作でいくと普請中の八幡宮を裏手から見せる趣向>どんな舞台面になるのか、次回は是非原作に忠実にした演出で観たいです。
5日に見に行きましたが、登場人物の関係をあまり深く考えずに、楽しく観れば良いというお芝居でした。菊之助は、今は誰を演じているのかしら?と思わせてしまうので、演じ分けが今一つですが、兎に角白無垢の花嫁衣装だの、芸者の姿だの、大いに楽しませてくれました。菊五郎は本人も悪人に二枚目とはっきり違う役でやりやすいと言っていますが、江戸っ子と悪人両方とも気持ちよく演じていましたね。長持ち(のようなもの)から現れる所などゾクゾクします。充分魅力ある悪人振りでした。湯屋の様子、見せ物小屋、など江戸のくらしが垣間見えて面白かったです。
渡辺氏は最後の場は長すぎでいらないというように指摘して居られますが、あれはカットできません。出演の若い役者さん達が一生懸命稽古して、観客に喜んでもらいたいと毎日命がけでトンボきっています。彼等の見せ場を作るのは菊五郎の計らい、ここは拍手してお互い良い気持で幕。で良いと思います。
最近のコメント